旧ブログ名「賃貸マンション経営はるかなる道」

  硝子戸の中のナビゲーター   トップページ > スポンサー広告> 読んだ本(賃貸・お金・他) > 一流の文学に触れ断崖絶壁に立つ  

スポンサーサイト

-- - --/-- [--] - --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

一流の文学に触れ断崖絶壁に立つ

2010 - 03/19 [Fri] - 15:03

若きサムライのために (文春文庫) 本書の「文弱の徒について」のなかで三島由紀夫は云う、現実生活の不満を解決せず別世界に生きる目的やモラルを文学の中に探そうとする人間に、うまく答えてくれる文学は二流品でそれはいつの世にも用意されている。

 これにおかされている内はまだいい。世にも美しい文章や、心をとかすような魅惑に満ちた描写を通し、無の人生と救い難い悪が潜んでいる人間の姿、その恐ろしい宿命をズバリ見せ付けるのがほんとうの文学。

 そしてよい文学であるほど人間は救われないことを丹念にしつこく教えてくれる。その中に人生の目標を求めようとすると、一つ先には宗教があるがその手前の、いちばんおそろしい崖っぷちに置き去りにしてくれるのが「よい文学」だと説く。

 さらに彼は、一流の文学に触れ断崖絶壁に立って、同様な才能の力でそういう文学を作れればまだしも、そんな力も努力もなく、自分ひとりでその崖っぷちに来たような錯覚に陥る。その錯覚からは、無力な自分、文弱の徒、人生を変える力もなく、変革することもできないが、あらゆる人間を馬鹿にし、笑えることのできる位置に立っている。

日本文学の本棚 だけれども、文学だけで得たものは、喧嘩は弱く、戦いもできず、女性も助けることができないが、人間の社会を「笑える」・・。そして、あらゆるものを笑い、一生懸命な人の欠点を探し、真心や情熱をも笑い、純粋な人間精神に軽蔑する我が身が分からない人間となる。まるで今の自分かもしれない・・・・。

 太宰治の『人間失格』を読んで驚いた。こんな不条理な人間が作家をしているのか?と。そして、夏目漱石、芥川龍之介、森鷗外、小川洋子、三島由紀夫と読み進むうちに、なにか異様な世界に足を踏み入れてしまったような気がしていた。

 現実にも、不思議なことや、まさかのことが起き、そして今現在も時は刻まれている。そんな中でこの三島由紀夫の一説でなにかしら見えるものを発見し、自分のおかれているところが分かったような気がする。

 明治からの文学を自分は次のように解釈した。

こころ (集英社文庫) 夏目漱石は世界中の文学を目にして耳にして、人間の醜さや悪行を目の辺りにした。神経衰弱になって帰国した。そして、人間の悩み、悪、弱さ、ずるさ、を描き出し、日本人たちが主人公の文学を作った。『吾輩は猫である』『それから』『こころ』

 そう、「世にも美しい文章や、心をとかすような魅惑に満ちた描写」で・・・。それは、病気と闘いながらの死闘だったに違いない。『明暗』で力尽きる。

 芥川龍之介も人間のどうしようもない悪行を見抜いていた。彼は神になろうとした。それは、芸術と文学を極めることが一番の近道とし、神と人間を生と死の狭間で探求した。『蜘蛛の糸』『羅生門』『地獄変』

 しかし、結局その矛盾に挫折し、『河童・或阿呆の一生』後世の読者にそれを託し、自ら命を絶った。

人間失格 (集英社文庫) 太宰治は文学で身を立てようとしたとき(『晩年』)すでに人間の虚構偽善に屈していた、でも戦争と結婚で生きる目的を見いだした。戦争という場を借りて死へ向かう人間たち、それを文学を通して援助しようとした。太宰治の文学の才能が一番花開いた次期だ。

 しかし、終戦を迎え、ころりと変わる人間たち。あの戦争という人殺しの所業は一体なんだったのか。置き去りにされた太宰治、変わらぬ人間の生き様、虚構、偽善、醜さ、をまた見てしまった。

 『人間失格』でおそろしい人間の姿をズバズバみせ世を去った。

三島由紀夫文庫本 三島由紀夫は、人間のおろかでおそろしい宿命は変わらぬものと分かっていた。それはたぶん、日本、世界の古典、文学の歴史から学んだことだった。ボデイビルをし剣道を習得し、自らを律し、そして、世の中、人間を、改革変革しようとした。

 彼の人生そのものを文学にしようとした、三島由紀夫人生劇場だ。しかし、無反応に終わる・・・ということも分かっていたのだろう。その直後、自決という形で劇場の幕をおろした。

 みな文学のとりこになって、どうしようもない人間と戦い、そして敗れていった・・・・。

 ぇ、自分?――――自分は、いま、おそろしい崖っぷちにたっている。このところの、厭で、重い、もやのかかったような、灰色な冬の空のような、心持はこう云う事だったのだろう。前、一歩先の宗教には進まない。そ~っと、あとずさりしながら戻ろうと思う。やはり、自ら死を迎えた文学者たちを肯定できない。――――もう少し、おき楽に文学を楽しみ生きていこうと思う。

 春になる今の時間。

関連記事

コメントの投稿





管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://set0605.blog67.fc2.com/tb.php/1323-1cc31828

 | HOME | 

最新記事

過去のログ

@激安・割安・おすすめ商品@

カテゴリ

リンク

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSフィード

QRコード

QRコード

硝子戸の中(うち)

硝子戸の中 (新潮文庫)

FC2カウンター

現在の閲覧者数:

ジオターゲティング

参加中

ブログランキング・にほんブログ村へ

読書メーター

haruさんの読書メーター
haruさんの読書メーター
haruの最近読んだ本
haruの今読んでる本

カレンダー(月別)

09 ≪│2017/10│≫ 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブログ検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。