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フランツ・カフカ 『橋』

2009 - 03/15 [Sun] - 07:00

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書) フランツ・カフカの短編に『橋』という短編があるということを知った。『本の読み方 スローリーディングの実践』で紹介されていた。ここに引用してみよう。



 橋

 私は橋だった。冷たく硬直して深い谷にかかっていた。こちらの端につま先を、向こうの端に両手を突き立てて、ぼろぼろ崩れていく土にしがみついていた。風にあおられ裾がはためく。下ではマスの棲む渓谷がとどろいていた。こんな山奥に、はたして誰が迷い込んでくるだろう。私はまだ地図にも記されていない橋なのだ――だから待っていた。待つ以外に何ができる。一度かけられたら最後、落下することなしには橋はどこまでも橋でしかない。

 ある日の夕方のことだ――もう何度もくり返してきたことだろう――私はのべつ同じことばかり考えていた。頭がぼんやりしていた。そんな夏の夕方だった。渓谷は音をたてて黒々と流れていた。このとき、足音を聞きつけた。やって来る、やって来る!――さあ、おまえ、準備しろ。おまえは手すりもない橋なのだ。旅人が頼りなげに渡りだしたら気をつけてやれ。もしもつまずいたら間髪入れず、山の神よろしく向こう岸まで放ってやれ。

 彼はやって来た。杖の先っぽの鉄の尖りで私をつっついた。その杖で私の上衣の裾を撫でつけた。さらに私のざんばら髪に杖を突き立て、おそらくキョロキョロあたりを見廻していたのだろうが、その間ずっと突き立てたまま放置していた。彼は山や谷のことを考えていたのだ。その思いによりそうように、私が思いをはせた矢先――ヒョイと両足で身体のまん中に跳びのってきた。私はおもわず悲鳴を上げた。誰だろう?子供か、幻影か、追い剥ぎか、自殺者か、誘惑者か、破壊者か?私は知りたかった。そこでいそいで寝返りを打った――なんと、橋が寝返りを打つ!とたんに落下した。私は一瞬のうちにバラバラになり、いつもは渓流の中からのどかに角を突き出している岩の尖りに刺しつらぬかれた。



 この短編は、読む人の数だけの解釈があるカフカ文学の中の一つであるという。これを読んでいるとき、やはりといおうか賃貸事業を思い浮かべていた。とりまとめて以下に記す。

カフカ渦を巻く谷底へ 『私は大家だった。冷たく硬直してRC構造のマンションがのしかかっていた。こちらの端につま先を、向こうの端に両手を突き立てて、空室でぼろぼろ灯りが消えていく窓ににしがみついていた。風にあおられる「入居者募集中」の旗がはためく。周囲でも空室が多い賃貸におどろいていた。こんな田舎に、はたして入居者が迷い込んでくるだろう。ここはまだGoogle地図にも記されていない物件なのだ――だから待っていた。待つ以外に何ができる。一度建築したら最後、満室にすることなしには賃貸はどこまでも安心経営でない。』

 両手と両足を突き立てて踏ん張っているのは、大きくそびえ立つRCマンションだ。深い谷は、借金だ、深い深い谷底だ。少しでも気を緩めるとまっ逆さまに落ちてしまうのだ。

 そして、さらに解読?は続く。

 『ある日の夕方のことだ――もう何度もくり返し入居者募集とくり返してきた――私はのべつ同じことばかりしていた。もう来ないのか頭がぼんやりしていた。そんな夏の夕方だった。マンションの部屋は灯りは黒々といくつも消えていた。このとき、足音を聞きつけた。やって来る、やって来る!――さあ、おまえ、準備しろ内見だ。おまえは手すりも照明も掃除をしてきた大家なのだ。入居者が不安げに見始めたら気をつかってやれ。もしもつまずいたら間髪入れず、早い者勝ちです今日を逃したら決まってしまいますと言ってやれ。』

 ぅ~ん、何か焦っている、必死な大家さんになってきたぞ。そうさ、地図にも載っていない物件を内見に来たんだ。チャンスを逃すな、今までの苦労が報われるときがきたのだ。

 でも、次からの文章が難解だ。どう解釈すればいい・・・あれやこれやと、ときおり考えつづけた。そして、

空室渦巻き 『内見者はやって来た。でも、楊枝の先っぽの楊枝の尖りで私をつっついた。その楊枝で重箱の隅をつつくように私の管理していた部屋をののしった。さらに私の薄い頭髪に楊枝を突き立て、おそらくキョロキョロあたりを見廻していたのだろうが、その間ずっと突き立てたまま放心していた。内見者は新築物件や家具付き物件のことを考えていたのだ。その思いによりそうように、私が思いをはせた矢先――ヒョイと両手で部屋のまん中に走り寄ってきた。私はおもわず悲鳴を上げた。お決まりですか?入居か、さよならか、ひやかしか、自殺者か、誘惑者か、破壊者か?私は知りたかった。そこでいそいで契約書を出した――なんと、内見者が首を振る!とたんに落下した。私は一瞬のうちにバラバラになり、いつもはRCの中からのどかに角を突き出しているタイルの光りに刺しつらぬかれた。』

カフカ短篇集 (岩波文庫)
 なんだこの改訳は、原文も最後はよく分からないが。これも、なんだか、意味不明になってしまったぞ。結局、つまり、契約できなかったのだ・・・・。

 カフカって面白いですね。支離滅裂というと失礼ですかね。でも、読み始めると流れるように文章がつながっていって、スラスラと読み進められ、なにか不思議に心に残るのでした。

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